お客さま事例 | 株式会社Fast Fitness Japan 経営企画部
株式会社Fast Fitness Japan

- 業 種:
- サービス業
- 事業詳細:
- フィットネス事業、EC・物販事業
- 従業員数:
- 261名(2025年3月31日現在)
- ご担当者:
- ギスラソン氏
株式会社Fast Fitness Japanは、24時間年中無休フィットネスジム「エニタイムフィットネス」の運営及びフランチャイズ展開を中核事業とした展開を行っている。同社は2010年に設立、同年にエニタイムフィットネス国内一号店をオープンして以降、設立から15年で全国に1,200を超える店舗を展開し、会員数も100万人を突破している。「ヘルシアプレイスをすべての人々へ」という理念のもと、利便性の高い24時間営業と業界トップの安心・安全・快適さを通じて、多くの方々の健康増進をサポートしている。

Index
翻訳にかかる“見えないコスト”を削減|英語社内マニュアルをワンストップで日本語化
米国発祥のフィットネスジム「Anytime Fitness」を日本国内でフランチャイズ展開する同社経営企画部では、公式WEBサイトの管理・運営に加え、加盟店および本社直営店の現場スタッフ向けに提供される「ダッシュボードマニュアルサイト」の翻訳業務を担っている。
このマニュアルサイトは、店舗運営に必要な業務手順や、システム・アプリの操作方法などを網羅した社内向けの情報プラットフォームであり、現場スタッフが日々の業務で参照する重要な情報源だ。

自社内翻訳時に直面した課題|マニュアル翻訳の一元管理と品質維持の難しさ
米国本部が作成する英語マニュアルは膨大かつ頻繁に更新されており、翻訳の正確性とスピードが現場の業務効率や利便性に直結する。
その重要性を十分に認識しながらも、翻訳は主業務ではなく他の業務と並行して進める必要があり、社内での対応は次第に複雑化していった。
翻訳作業は複数名の社員で分担し、限られたリソースの中で工夫を重ねて進められたが、まず翻訳の整合性や更新管理の課題が表出した。さらに、マニュアルサイトに直接日本語訳を上書きしていたことで翻訳後には英語原文が消失しており、修正や確認が必要な際に原文に立ち返ることができないという問題も発生していた。
こうした状況が積み重なり、品質の立て直しを試みるも作業を重ねるほどに対応が複雑化。改善の糸口をつかめないまま、翻訳対応に多くの時間とリソースを割かざるを得ない状況が続き、結果として、担当者が本来注力すべき業務を圧迫する事態となっていた。

翻訳センターを選んだ決め手「Web翻訳公開支援サービス」
こうした課題を抱えていた同社は、翻訳文のチェックと修正作業を目的として翻訳センターに相談。
ヒアリングを通じて、翻訳センターはチェック作業では根本的な品質改善が難しいと判断し、翻訳にまつわる業務全体を包括的に支援する「Web翻訳公開支援サービス」を提案した。
Web翻訳公開支援サービスの概要
1. 翻訳対象の取りまとめ:
英語原文をページ単位で整理・原稿化し、一部原文が失われている箇所については開発用の仕様書などをもとに原稿を再構成。
2. 翻訳と表現の統一:
専門用語や文体を統一し、読みやすく一貫性のある日本語マニュアルを作成。
3. マニュアルサイト(WEBページ)への反映作業:
CMS(Contents Management System)へのログイン権限をいただき、サイト内の該当ページへ翻訳後のコンテンツを直接入力する作業までワンストップで対応。
翻訳センターの提案は、単なるチェック作業にとどまらず、社内対応分の品質立て直しからマニュアルサイトへの反映まで、全工程を見直す包括的な内容だった。
同社は、この提案によりマニュアル運用の効率化と品質向上の両立が可能になると判断し、長期的にも有効な選択肢であると考えた。さらに、プロジェクト全体のマネジメントを翻訳センターに一任することで、進行管理や関係者との調整にかかる社内負担が大幅に軽減され、スムーズな進行が期待できると見込んだ。
当初はコスト重視で検討を進めていた同社。社内でまかなうはずの翻訳の外注には費用面の懸念があったが、実際には社内で本業と並行して翻訳を行うことで発生する「見えにくい社内コスト(インターナルコスト)」──翻訳精度の確保、誤訳や訳抜けによる手戻り、複数名対応による進捗管理、本来業務の停滞による機会損失など──は、想像以上に大きい。
今回の提案は、そうした社内コストに見合う内容であり、長期的にもコスト効率の高い選択であると納得し、翻訳業務全体を包括的に委託する方針へと転換した。
「社内リソースを他の重要業務に集中させることができ、全体的な業務効率が向上しました」(Gislason氏)
翻訳センターができること
本プロジェクトでは、フィットネス業界の専門用語およびシステム操作に関する用語集を翻訳センター側で作成し、マニュアル内の用語統一を実現した。これにより、「現場スタッフの理解が深まりました」との声も寄せられている。翻訳の専門性と一貫性を担保した点が特に高く評価された。 また、プロジェクトマネージャ(※1)による的確な進行管理により、翻訳の正確性とスピードを向上でき、現場への迅速な情報提供に貢献した。 さらに、納品後も翻訳センターが用語集の更新・管理を継続的にサポートしている。これにより、品質の維持が可能となり、翻訳メモリ(※2)の活用によって、将来的なコスト削減にもつながる「持続可能な翻訳体制」が構築された。 「納品後も用語集の維持管理に積極的に関与いただき、継続的な品質維持に貢献していただいています」(ギスラソン氏)
※1 プロジェクトマネージャ:翻訳プロジェクトにおいて依頼から納品までの全工程を管理・調整する役割を担う。プロジェクトごとに最適な作業者(翻訳者・校正者・DTPオペレータなど)の選定・手配も担当。
※2 翻訳メモリ:原文と翻訳文をペアで蓄積したデータベース。
今後の展望|柔軟な対応とAI活用への期待
同社では、今後見込まれる店舗数の拡大に伴い、現場スタッフへの情報提供体制のさらなる効率化を図る方針だ。特に、新機能や新サービスに関するマニュアルの迅速な展開に向けて、運用体制の強化を計画している。
また、スタッフ教育システムの効率化を図るため、以下のような施策が進められる見込みだ。
- スタッフ教育の効率化を目的とした、eラーニングコンテンツの翻訳・整備
- 頻繁に尋ねられる問い合わせ内容のデータベース化と、AIを活用した翻訳効率化
AI時代に対応した柔軟かつ高品質な翻訳ソリューションの提供が、今後ますます求められている。
米国本部と現場をつなぐ“言葉の架け橋”である経営企画部とともに、私たちは新たな価値創出に向けて前進を続けていく。

※ 記載の内容は2025年9月現在のものです。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
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